マスクはウイルスを通す? それとも通さない?

学んだ事


今現在,新型コロナウイルスが世界中で猛威を振るっています。ウイルスを防ぐためにマスクの着用が勧められており全国的にマスク不足やマスクの価格が高騰しています。

そんな中、ウイルスはとても小さいのでマスクの網目を通るからあまり意味ないという意見があります。実際ウイルスはマスクを通り抜けるのでしょうか?

今回はこの論文を参考にしています。             Respiratory virus shedding in exhaled breath and efficacy of face masks

https://www.nature.com/articles/s41591-020-0843-2

結論として 

インフルエンザウイルスとコロナウイルスはマスクの目を通らなかった。つまり感染者や医療従事者に優先的に回し,感染している可能性が高い人に付けてもらうことでより効果的に感染することを防げます。

今回の実験に使ったウイルスはインフルエンザウイルス, コロナウイルス, リノウイルス(風邪を引き起こすウイルス)です。使ったマスクはサージカルマスクという手術用マスクです。

実験方法としては,ウイルスに感染しているとわかっている患者さんを2つに分けます。その後マスク付けるグループと付けないグループに分けて30分間呼吸をしてもらい,その呼気からウイルスが存在するかを確認しました。また集めた呼気はフィルターを通し,呼吸時に出る液体とエアロゾルに分けて調査しました。結果として以下のようになりました。

1番上がコロナウイルスを用いた実験です。左2つの結果から鼻と喉にウイルスがが存在していることがわかります。特に鼻に多く存在していることがわかります。つまり鼻をかんだティッシュなども危険であることがわかります。

真ん中の2つはつばとかにどれぐらいウイルスが含まれているか確認しました。左がマスク無し、右がマスクありです。結果を見るとマスク無しですとウイルスが確認されましたが、マスクをつけるとウイルスがほぼ確認されなかったです。また最後の右2つのデータは最流行しているエアロゾル中に含まれるvirusの量を調べています。ここでもマスクをすることでウイルスの飛沫を防いでいることがわかります。

これと同じような結果を示すのがインフルエンザウイルスです。ちなみ2019年の冬から2020年の春にかけて患者数が少なかったです。

インフルエンザ発生状況について

https://www.mhlw.go.jp/content/000620714.pdf

これは今年の冬はコロナウイルス対策として多くの人がマスクしていたため感染が減ったと考えられるのではないのでしょうか!!

このことから実験からも、実際の感染者数からもマスクがウイルスを通さないと考えられます。

しかし,リノウイルスではマスクをしている時もしていない時も同レベルでウイルスを検知しています。そのためウイルスの種類によってマスクの効果が変わってくると思います。

今、日本でも感染者がだんだんと増えてきています。その中で感染しているリスクが高い人は患者さんに一番接触している医療従事者であると思います。その為,これから感染を防ぐために,マスクを先に医療従事者に届けましょう。また今年のインフルエンザに感染者は例年に比べて半分に減少しています。このことから、毎年冬にマスク付ける方がよいのではないのでしょうか!

今日はマスクの重要性について科学的視点から調べました。また噂として、マスクが口内の湿度を保つことがウイルスの感染を防ぐという事もうわさされています。そういった事も今後論文で調べてまとめていきたいと思います。